CEガッチと愉快な仲間たち

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某病院で臨床工学技士として働くガッチの疑問と私見

”血液透析” エコーを使用したVA管理  Bモード編

こんにちは、CE ガッチです。

 

いつも当ブログを読んでいただきありがとうございます。

 

気づいたらすごく時間経ってます、またコンスタントに書いていきたいと考えてますので是非お付き合いください。

 

そして、まだまだCOVID-19の影響が懸念される中ですので、対策は怠れませんね。

そういえば、今年のJSDTのオンライン再登録が開始しました。

例年とは違いWeb形式の発表になるので、どんなことになるか楽しみです。

新しい発表を見ることは、すごく刺激になりモチベーションにつながります。

自分も負けられないなと。

 

久しぶりの今回は、VAに対するエコーの管理に関して、「エコーがどのように使えるか」Bモードを中心に私見にて書かせてもらいます。

 

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 エコーの何が有用なのか

 結局のところ、エコーを使用する事で何が有用なのか。

これはすごく大事なことで、使用する人は忘れがちなのですが改めて書きます、それは、

「血管を視ることができ、定量的な評価ができる」

です。

 

基本的には触診もしくは視診・聴診にて観察をする血管ですが、エコーを使用する事により血管内腔の確認ができ、より詳細な観察を行うことが可能になります。

また、FV・RIの測定により感覚でしか評価できなかったものが、数値で管理をすることが可能になります。

普段想像をすることしかできなかった血管の内腔や走行を画像として認識ができることはとても有用です。

そして数値管理により、以上・以下のボーダーを引きやすくなる。つまりカットオフの設定ができます。

 

瘤の内腔がどのようになっているか、いつも外筒を進める際に引っかかる部分は何なのか、触れるけど深さはどの程度なのかというようなことが視覚的に認識をすることができるのでより確実な穿刺、VA管理を行うことが可能になります。

 

どのような血管に使用するの?

次にどのような血管が適しているのかをざっと箇条書きで書きます。

 

  • 太さがわからない(深い部分で触知し辛い)
  • 深さがわからない
  • 内部走行がわからない
  • 内腔の状態がわからない
  • 一部へこんだりしているが狭窄なのか判断がつかない
  • 脱血量の確保ができるか
  • 送血に使用ができるか

 ざっと思いつくだけでも、かなりの状況でエコーが使えるであろうことがわかります。

これらの共通点は、先に書かせてもらった通り「感覚でしかわからない」部分なのかなと思います。

これらが、エコーを使用する事により感覚ではなく”画像”や”数値”として判断ができるようになります。

 

では、上記の血管でいうとどのようになるのかというと、

 

  • 血管径の計測を行う
  • 血管走行の深さの計測を行う
  • マッピング等での走行確認
  • Bモード・カラードプラでの内腔・流れの観察
  • 血管径の比較と走行の確認
  • FVの測定と狭窄の有無
  • 送血先の状態確認(狭窄や内部走行の確認)

という感じで確認を行うことができるようになります。

これらを見ることによって、より確実な管理が可能になるのではと思います。

 

管理の実際

先に挙げた観察内容の中から数種類ですが実際の画像を見てみましょう

血管径の測定

実際に血管径を見るときはどのような感じかというと、このようになります。

 

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血管径の測定


写真が荒いので少し見づらいとは思うのですが、このように血管径を測定することにより、穿刺が可能か・脱血は可能かなどの目安を持つことが可能になります。

また、上記の画像は短軸でのものですが、長軸での血管径測定を行い前後を比較することにより狭窄の程度を見ることも可能になります。

 

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長軸画像・径の比較

 

 この画像では実際には比較はしていませんが、前後の比較により明らかな狭窄があると判断ができます。

血管深度の把握

血管の深さを把握することに関しても、エコーは有用です。

触診では血管の反発具合等で判断をしていましたが、数値で判断ができるようになります。

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血管深度の測定

どの程度の位置に血管があるかを把握することで、穿刺の際に針を寝かせるタイミングを計ることができます。

実際は深くなるほど穿刺難易度は上がり止血難易度も上がりますので、深すぎる血管への穿刺は避けた方がよいと考えます。

血管の内部走行の確認

血管が内部でどのように走行しているのか、これが見えることにより穿刺の際どのようなことに注意を払いながら穿刺をすべきかが判断できます。

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内部走行

先程も載せましたが、この血管の場合はだんだんと深くなっていくことがわかります。

つまり、針は常に角度をつけながら穿刺を行わないと、せっかく刺入した針が寝かせて進めることにより再度皮膚を切ることになります。

よく「入ってたんだけどな?進めたらだめだった。」ということを耳にしますが、このような時が往々にしてあります。

そのようなことにならないように、事前に血管の内部走行を把握するというとよいです。

 

まとめ

今回は、エコーがどのように使えるのかを書きました。

Bモードを中心に話をしましたが、パワードプラ・カラードプラなどまだまだ便利な機能があるので、今後も続けて書いていきたいと思います。

実際の画像を見たりすると、今まで想像だけだったものが確信に変わります。

そうすることで穿刺の自信にもつなげることができ、自身の穿刺スキルも上がります。

従事されている施設によって、触れる触れないの状況が出てきてしまうのは悲しいことではありますが、今後必ず必要になっていくスキルではないかと思いますので可能な方は少しずつでも触ってみてください。

 

下記は、自分の実際読んできたエコーに関する書籍になります。

是非、エコーでのVA管理に役立てていただければ幸いです。