”血液透析” 勉強のススメ
こんにちは、CE ガッチです。
「おうち時間」皆様はどんなことをしてお過ごしでしょうか?
私も違わず、休日は家に引きこもりながら子供たちと遊んだり、記事を書いたり、読書をしたりと過ごしています。
近々Zoomというソフトでの会議も決まっていますのでそちらの事も調べたりしています。
このZoom、脆弱性が問題となっている様なのですが、現在はどのようになっているのでしょうか?
そして、間もなく5月に入るという事で、新人の方や新しく配属された方々も職場や自宅で少しずつ余裕を出せる部分が出てきていると思われます。
本日はそんな方々へ、基礎を固めていくものであったりその一歩希のことも勉強できるような本を3種類紹介していきたいと思います。
これで少しずつ地固めを行い、これからの医療人生に生かしてもらえればと思います。
先輩にも勉強しているなと思ってもらえれば、一石二鳥です。
それでは宜しくお願いします。
血液浄化療法ハンドブック2020
この本に関しては、すでに持っている方も多いかと思います。
臨床工学技士養成校でも教科書として使用されていたり、透析技術認定士の教本としても使用されておりますのでこの本がベーシックになっておる方も多いかと思います。
実際私自身もこの本で学び、現在も確認事があった際は開きます。
原疾患に関する事・CDDSの基本構造・HDの基本原理やOHDF・血液透析に関する合併症・患者の管理・血液データの考え方等々、現在も使わせてもらっているという事は、それほど内容も濃く教材として申し分ないものなのだなと感じます。
看護師さんに何か透析を勉強したいから本を教えてと言われた際は、必ずこれをお勧めしています。
しかしながら、フィルターの性能に関することやVAに関する詳細な管理、水処理の関する詳細などに関しては書いていないこともある為その際は別な書籍を購入する必要があるのかなと思います。
現在の最新版は上記の「2020」になります。年度によって表紙の色が変わりますので購入の際は注意してください。
病気がみえる vol.8 腎・泌尿器
こちらもすでにご存じの方も多いかと思います。
有名な「病気がみえる」シリーズ vol.8の腎・泌尿器です。
この本に関しては、題名にもある通り病気に関することが詳細に記載されています。
詳細な本は他にもたくさんありますが、この本はイラストが多用されている事、言い回しが分かりやすいので疾患に関する理解が深めやすいです。
「みえる」を謳っているには理由があるなと思いました。
医学部の方でこの本を使用している方も多く、その分かりやすさを証明していますね。
他の本だと説明が難しく分かりずらい事も多かった中、自分は透析患者さんの原疾患に関する知識や合併症に関する知識はこの本で勉強させてもらった部分が多いです。
小さい頃の歴史漫画や伝記の漫画に似た雰囲気を感じます。
私もこの本を筆頭に「病気がみえる」シリーズは5冊ほど持っています。
是非手に取ってみてください。原疾患がわかると患者さんの疾患に関する新たな一面が分かります。
透析ケア
こちらも有名な 透析医療系の雑誌であり、誰しもが一度は通るものではないのかなと思います。
臨床工学技士に向けてというよりも看護師さんへ向けてとの印象が強い本誌ですが、様々な特集は良くかみ砕かれとても分かりやすいです。
イラストもたくさん入っていますので読みやすいです。
そして、月刊の雑誌という事もありその時々での最新を知ることが出来るのもメリットです。
また、別冊として年に二回ほど特集号が出版されます。
この別冊に関しても、「まさにこれ知りたい」内容が多くあり面白いです。
まとめ
本日はいつもと少し趣向を変えてみましたがどうでしょうか?
医療系の雑誌や参考書って思ったよりも種類があって、どれを買って良いかわからなくなることが多いです。
今回は、まず初めに購入を考えるものとして3種類ばかりですが紹介させていただきました。
少し深いところまで知りたい際は、関連するそれぞれの専門書を探してみてください。
そちらに関しても今後おすすめの書籍を紹介させていただければと思います。
外出自粛が続く世の中です。
「おうち時間」を少しでも有意気に過ごせる一助にしていただければと思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
CE ガッチ
参考サイト
・協同医書出版社(血液浄化ハンドブック)
・病気がみえる/公式サイト | メディックメディアの「病気がみえる(病みえ)」公式サイト。医学生、看護師他、医療従事者共通のテキストとして大人気。心音、呼吸音、3d人体骨格コンテンツもあり。(病気がみえる)
”血液透析” ECUMについて考える
こんにちは、CE ガッチです。
最近、ECUMのタイミングとQBで悩んでいます。
読んでくださる方も疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
どうでしょう?
恥ずかしいことながら初めてこの疑問を持ち始めたのは透析に従事して7.8年も経過した頃でした。
当時少しばかり関連する論文を読んだ記憶があるのですが、記憶としてうっすらとしか残っていません。
良い機会と思い再度疑問にぶち当たっている今、情報を整理しながら改めて私見も含めて考えていきたいと思います。
少し私見が多い内容になるかもしれません、温かい目で見守っていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
ECUMとは
まずは、そもそもECUMとは何なのかを復習します。
ECUMとは、Extra Corporeal Ultrafiltration Methods:限外濾過法の略です。
この名前が示す通り、
です。つまり除水のみです。
HDの原理は拡散・限外濾過です。
このうち、拡散を担うものは「透析液」になります。
つまり、限外濾過のみになるという事はこの「透析液」の循環無しに治療を行います。
(治療には使用しないので、”使用しない”と言われることが多い)
しかしながら、除水するにも血液側と機械側での密閉回路が必要になります。
この密閉回路を作るために、準備をする際は透析液を使用してフィルターの透析液側を満たすことになります。
ECUM施行の際は、透析液がフィルターに流れないので透析液は使用しないと言われています。
血圧低下に効果がある?
ECUMに関して、このようなことは聞いたことがないでしょうか?
「血圧が下がりにくい」
これはなぜなのかを考えたいと思います。
除水を行った際に血圧が下がる理由は様々あると思いますが、主な理由は「水分除去」によるボリュームの減少です。
それでは限外濾過にしても変わらないのでは?と思われるかもしれませんが、その後の動きが変わってきます。
血液は水分が除去されればそれを元に戻そう(補填しよう)という恒常性が働きます。
それがこの数年でよく耳にするようになった「プラズマ・リフィリング」(血漿再充填)というものです。
一般的によく聞くようになったのは、「I-HDF」の開発があったからだと思います、効果の一つに「還流面積増大によるプラズマ・リフィリングの増加」がありましたね。
この「プラズマ・リフィリング」に関する動きが変わってくると考えます。
プラズマ・リフィリングの駆動力は主に浸透圧差です、つまり浸透圧の動きに変化が生じるために血圧の動きが変わってきます。
血管内水分を保つ浸透圧には、
の2つがあります。
ECUMに関しては、1の血漿浸透圧が関わってきますので、今回は血漿浸透圧について少し考えてみたいと思います。
血漿浸透圧とは
電解質に起因する浸透圧です。
具体的にはNa、K、GL、BUNになり、おおよその血漿浸透圧は下記の式で表されます。
様々な方がたくさんの媒体で書いていますので、見たことがある方も多くいらっしゃるかと思います。
上記の式でK・Gl・BUNは、拡散により除去されていきます。
一番大きく影響してくるのは「BUN」です。
個人差はありますが、治療前を80mg/dL・治療後を20mg/dLと仮定します。
このBUN60mg/dlの差で浸透圧は約21sm/L下がるわけです
これが水分を引き込む力の減少となり、除水とのバランスが崩れた時点で血圧が低下していく事になります。
膠質浸透圧とは
膠質浸透圧とは、血漿タンパクによる浸透圧です。
治療の方針によりますが、前後でのアルブミン値の大きな変化はないと考えます。それに伴って膠質浸透圧も大きな変化はないと考えます。
しかし、考慮すべきこととして、
高齢透析患者さんの中には、近年言われるフレイル・サルコペニアでの常時低アルブミン血症があること
ハイパフォーマンスなODHF・ハイパフォーマンスな膜を使用しての治療における高度なアルブミンの漏出を考えると、後半での膠質浸透圧低下も発生しているだろうとのこと
があげられると思います。
低アルブミン血症や高度のアルブミン漏出は、後半でのECUMに影響を与える可能性があると考えます。
また、ECUMにおいては、2005年の片山俊郎ら「生体インピーダンスと血漿膠質浸透圧の同時計測による生体内水分量の推定」では後半にかけて上昇していくとの報告もあります。
これはECUMでの限外濾過ではアルブミンはリークしないことが原因であると考えます。
前後に関しては
これらから、浸透圧の事を考慮すれば
と考えられます。
もし、医師による継続でのECUMありきな除水指示(~以上残ったらECUM追加等)の場合で、毎回ECUM切り替え時に血圧が…という患者さんがいらっしゃる場合は、一考する価値もあるかもしれません。
しかしながら、BSMによってはECUMを先にしてしまうとI-HDFに移行ができなかったりと問題も生じますので、ご施設にあった運用を考えていただければと思います。
QBを下げるかどうか
次はECUM時のQBに関して、下げる意義があるのかを考えたいと思います。
先に自分の考えを書かせていただくと、「そこまで影響しうる大きな意味はない」です。
いろいろと調べていても、理論的な根拠は見つけることが出来ず説明が難しい部分ではありますが、いくつか個人的な考えを書かせていただければと思いますので優しく見守ってください。
まずは下げる際の発生しうるメリットを考えてみました。
です。
発生しうるデメリットも考えてみました。
上記に、現在自分が考えられることを羅列させていただきました。
振り返ってみると、QBを下げてこのメリットを実感したかと言われれば「?」な部分が多いです。
しかしながら、デメリットを振り返った際に「1」と「2」に関しては何度か経験をしたことがあります。
「1」に関しては、除水速度はQBの30%以下・ヘマトクリット値を考慮しなければなりません。後半のヘマトクリット上昇を考えればもう少し上限は下がるかもしれません。
これらから、個人的な考えではQBは下げなくても良いと考えます。
しかし、前提として透析室の方針であったり先輩からの教えであれば、しっかりと守ってください。
はっきりとしたエビデンスなどがないという事は、先輩方が意義を考えて行っているという事です。
そのことは、考慮すべきです。
まとめ
以上、本日は個人的な考えが多い内容でしたが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
自分も今回記事をまとめる中でリサーチをしながら、先輩の意見を聞きながら改めて知識を頂きました。
ちょっとしたことでも疑問に思った際は、調べてみると力になります。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
CE ガッチ
参考サイト
臨床工学技士TAKAの本音 | 人工透析について患者さん、看護師、コメディカルに役立つ情報を発信していきます。
参考文献
片山俊郎・佐藤哲大・湊小太郎 「生体インピーダンスと血漿膠質浸透圧の同時計測による生体内水分量の推定」生体医工学会誌 43.(4).2005
”血液透析” VAカテーテルとは? Vascular Accessの基礎(第四弾)
こんにちは、CE ガッチです。
いつも本ブログを読んでいただきありがとうございます。
ここ2,3日の天気が悪く家に引きこもってます。
これから心機一転と思い、自分の部屋を模様替えしてみたのですが、少し配置に失敗をしてイスの動ける範囲が狭くなり若干不快になりました。
また少し考えてみようかな思います。
そして、部屋配置の変更に伴いPC周りも新しいものが欲しくなってきました。
普段はノートPCで記事を書いたり仕事をしているのですが、もう少し割けるスペースが出来てきたわけです。
新しいモニター・キーボード・マウス・PC本体と夢が広がります。
そのうち執筆に関するものに関しても、記事書いてみたいです。
さて、今までの記事の流れからきまして、本日は皆様の想像通りの内容になります。
VAの分類で最後にはなるのですが、「カテーテル」について書いていきたいと思います。
本日は、基本的に長期留置カテーテルと言われている「カフ型カテーテル」について記載いたします。
非カフ型カテーテルの記載する場合は、「短期留置型~は、」もしくは「非カフ型~は」と記載いたします。
ご了承の程、宜しくお願い致します。
VAとしてのカテーテル
カテーテルには、長期留置を想定した「カフ型カテーテル」もしくは「自然抜去を阻害する構造を有するカテーテル」と、また長期での留置を想定していない「非カフ型カテーテル」の2種類に分類されます。
適応から留置部位・管理に関して、少し復習していこうかと思います。
適応
適応に関しては、このように記載があります。
GL-3:カフ型カテーテルの適応は、①AVF・AVG増設不能例、②高度の心不全症例、③四肢拘縮、認知症などによる穿刺困難例、透析中の事故抜針リスクの高い症例など患者病態から本法が最も適切なVAと考えられる症例、④小児の血液透析例などである(2-C)
引用:日本透析医学会 2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン 第3章 (5)
VAとしてカフ型カテーテルを使用する適応は上記であり、アクセスとしての最終段階と思います。また、慢性血液透析においての非カフ型に関しては、主に移植や内シャント作製までのブリッジ的な使用になります。
前者での基本適応は、
です。
動脈表在化に適応は似ていますが、この場合は返血に使用できる表在静脈が存在するかしないかがカフ型カテーテル留置と動脈表在化の別れ道となります。
ざっくりしていますが下記のようなフローになると思います。
短期留置等のブリッジ使用はこの限りではありませんが、まず作製可能であれば動脈表在化が優先されます。どうしても穿刺困難や血管の荒廃があるとの医師の判断にて、最終段階であるカテーテル留置になります。
そして、もう一つ重要な適応があります。
それは、小児領域において体重20kg未満でのアクセス選択は、カテーテルも前向きな選択肢になるという事です。
通常AVF作成には2.5mm以上の径が必要となり、目安となる体重も20kg程度以上とされています。
この事から、作製がとても困難である場合もある為カテーテルが前向き検討となるわけです。(こちらもブリッジとしての使用分類になると考えます。)
挿入部位
日本透析医学会による「2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」には下記のように記載がされています。
穿刺目標となる第一選択は右内頚静脈であり、患者の状況により左内頚静脈、右大腿静脈、左大腿静脈も選択肢となりえる。
ただし腎臓移植が予定されている患者では腸骨静脈狭窄を生じさせないため、大腿静脈からの挿入は避けることが望ましい。
という事で、第一選択が右内頚静脈となり、場合によっては逆もしくは左右の大腿静脈が選択されるという事になります。
自身の経験している10年間のうち、長期で留置されている患者さんで大腿静脈に留置されていたのは1名しかおりませんでした。
少し極端かもしれませんが、長期に関して基本右内頚静脈と捉えてよいかと思います。
挿入法
カテーテル挿入に関しては、セルジンガー法が基本になります。
セルジンガー法は、ざっくり説明しますと
です。
YouTubeに実際に挿入している分かりやすい動画がありましたので、参考として下記にリンクを貼っておきます。
ご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=5Y6ns9-Gu4o
カテーテル留置部位
VA用に主に用いられるダブルルーメンカテーテルは構造として、脱血側はプロキシマール側(近位)であり送血はディスタール側(遠位)となります。
また、カテーテル留置部位に関して日本透析医学会による「2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」には下記のように記載がされています。
④カテーテルの先端位置は留置後確認する。
右内頚から挿入の場合、非カフ型であれば右上大静脈内、カフ型であれば脱血側は右上大静脈内、返血側は右房近傍に位置させることが望ましい。(2-C)
さらに留置一定期間後、先端位置の再確認も必要である。
引用:日本透析医学会「2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」第5章(5)GL-2
またカテーテル先端位置はカテーテル機能を決定する重要な要素であるとの記載もあり、留置位置はその患者さんの透析の質に直結する事となります。
実際に用いられるカテーテルの例
・テシオカテーテル(カフ付)2本のシングルルーメンカテーテル
挿入イメージはこちらです。
画像引用:株式会社 林寺メディノール・ハヤシデラ | クオリティライフを応援します。
画像引用:バスキュラーアクセス関連製品 | 製品情報 | 東レ・メディカル株式会社
・セントロスフロー(カフ付)ダブルルーメンカテーテル
此方は先端形状が特殊になっており、血管へのへばりつきをしにくくしております。
上記はVAとして使用されているカフ付カテーテルの一部になります。これら以外にも非カフ型を含めれば多様なカテーテルが存在します。
合併症
まず、カテーテルを挿入するにあたり、どの様な合併症があるのでしょうか?
留置期間で考えると、日本透析医学会 「2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」での推奨日数として非カフ型は3週間程度、カフ型はそれより長期となっています。理由としては、中心静脈狭窄の原因となる為です。ですので、3週間程度といえど非カフ型においてはなるべく短期間での留置が望ましいです。
またKDOQIでは、非カフ型に関しては入院患者に限るべきであり、その期間は1週間以内であるべきとしています。
それでは、留置後の合併症は何があるでしょうか?
大きく分けると、
です。
①脱血不良に関しては、血管へのへばりつきやカテーテル内の血栓形成・カテーテル周囲の血栓・フィブリンスリーブ・カテーテル先端の血栓形成があります。
へばりつきに関しては、体位であったりカテーテルの位置調整で改善したりするのですが、血栓に関してはそうもいきません。
これを防ぐために、基本的にはヘパリンでカテーテル内を充填していると思います。
しかしながら、それでも血栓は形成されてしまう場合があります。
そのような場合は、ウロキナーゼを充填し血栓を融解させる等の処置が必要になります。
ただ、ウロキナーゼの頻回使用は菌血症の発生率が高いとの報告もありますので、毎回の充填ではなく適宜の使用が良いかと思います。
②感染に関しては、出口部・トンネル・カテーテル内の3つの大別されます。
簡単ではありますが、いかにそれらを記載します。
出口部感染
出口部というのは、文字通りカテーテルの挿入部にあたります。
挿入部の発赤や膿、腫脹などです。
これらは抗生剤入りの軟膏を使用した局所的処置や、抗生剤の内服で対応されます。
トンネル感染
トンネル部というのは、挿入部からカフまでの範囲にあたります。
皮下トンネル部に、発赤や腫脹・硬結・圧痛が生じ、これらは通常出口部感染も伴います。
カテーテル内感染
カテーテル内感染というのは、カフ部より内側の感染になります。
カテーテル内が感染しますと、発熱や悪寒等の症状が出現してきます。他の重症な感染症の原因にもなりえる為、それらに対応する抗生剤治療やカテーテルの抜去・交換という処置に至ります。
上記を防ぐためには、適切な消毒・管理が必要になります。
大まかにではありますが、最後に消毒・管理について記載します。
消毒・管理について
カテーテル挿入部の消毒薬に関しては、CDCのガイドラインやK-DOQI2006にてクロルヘキシジンアルコール液が推奨されています。
濃度は様々なガイドラインにて何種類か推奨がありますが、基本は0.5%以上のグルコン酸クロルヘキシジンを使用するよう推奨されています。
出口部を清潔に保つことは大変重要です。
透析毎に浸出液の有無や発赤・腫脹・疼痛・かゆみ等の確認を行い、重大な感染や合併症を生じる前に対応が出来ればと考えます。
また、患者さんへの確認や出口部の保護などの対策を立て、施設ごとの感染に対するサーベイランスの実施が推奨されています。
まとめ
以上、主にカフ型カテーテルの適応・種類から管理までをずらっと記載させていただきました。
実際のカテーテル管理・処置に関しては、シャントの管理同様施設により違いが大きい部分だと思います。
しかしながら、そのような中でも基本をしっかりと学び考えながら行うか、そうでないかでは大きな違いが生じてしまいます。
本日の内容が、読んでくださる方のためになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
CE ガッチ
参考文献:
・ 日本透析医学会 2011年版 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン
・公益社団法人 日本臨床工学技士会 専門臨床工学技士テキスト 血液浄化編 第9版
・CDC ガイドライン 2011 「血管内カテーテル関連感染防止」
参考サイト:
・医療法人 心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科
・看護roo!